外壁塗装は一般的に100万円以上かかる場合が多いですが、外壁塗装の費用はさまざまな要素によって大きく変動します。

こちらの記事では、一般的な一軒家の外壁塗装の費用相場、また住宅の坪数・塗料の種類・工事範囲ごとの費用や、費用の内訳、費用を安く抑える方法についてもご紹介していきます。

この記事を読むと以下のことが分かります。
・外壁塗装の費用相場
・坪数・築年数・屋根塗装有無ごとの費用目安
・費用が変わる主な要因
・費用を安く抑えるコツ

1.外壁塗装の費用相場

一般的な戸建て住宅の外壁塗装の費用相場は約70万円~150万円です。

自宅の大きさ「坪数」や、塗料工事する範囲などの要素によって、費用は大きく変動します。

当サイトで調査したところ、一般的な住宅の外壁塗装の相場は以下の通りとなりました。

  • 1位:100万円~120万円
  • 2位:70万円~100万円
  • 3位:120万円~150万円

全体のおよそ7割の方が70万円~150万円の費用帯で外壁塗装を行っており、もっとも該当人数が多いのは100万円~120万円の費用帯でした。

2.坪数別 外壁塗装の費用相場

次は、坪数ごとの費用相場を見ていきましょう。
下記はあくまでも目安金額で、さまざまな条件によって価格は変わってきます。

延べ坪数塗装面積費用相場
10坪40㎡約70万円~80万円
20坪79㎡約80万円~100万円
30坪119㎡約90万円~110万円
40坪158㎡約100万円~120万円
50坪198㎡約105万円~125万円
60坪238㎡約120万円~150万円
参考:延べ坪数とは?

・延べ坪数…1階+2階+3階…と建物の各階の床面積(坪数)を足し合わせたもの
例:2階建て住宅で、1階が20坪・2階が10坪の場合は、延べ坪数は30坪。1坪=約3.3(㎡)のため、延べ床面積は99(㎡)となります。

2-1.外壁に加えて屋根も塗装する場合の費用相場

外壁・屋根の工事を一緒に行うと、足場設置代(10~30万円ほど)が1回分で済むため、トータル的な出費を抑えられます。

坪数や屋根の大きさ・形状によっても変動しますが、外壁塗装の費用に20〜40万円プラスした額が費用相場になります。

3.築年数別 外壁塗装の費用相場

築年数塗装面積費用相場
10年40㎡約70万円~80万円
20年79㎡約80万円~100万円
30年119㎡約90万円~120万円
40年158㎡約120万円~150万円
30坪住宅・塗装面積120㎡・シリコン塗料の場合

築年数別の外壁塗装の費用相場は、築10年は約70万円~80万円築20年は約80万円~100万円築30年は約90万円~120万円築40年は約120万円~150万円となっています。

建物は築年数が経過すると劣化するので、費用が高くなる傾向にあります。

その理由は、塗装だけでは対応できない補修作業が増えるためです。

例えば、外壁の継ぎ目にあたる「シーリング(コーキング)」の打ち替えや、外壁材に生じた大きなひび割れ、劣化した下地の補修などが必要になる場合があります。

こうした補修作業が加わると、その分の工賃や材料費が追加され、総費用が高くなります。

4.外壁塗装の費用が変わる要因

外壁塗装の費用は主に下記の4つの要素によって変わります。

  • 建物の大きさや形状
  • 外壁の状態
  • 使用する塗料
  • 依頼する施工業者

4-1.費用が変わる要因①
建物の大きさ(延べ床面積)

建物が大きいほど塗装面積も増えるため、費用も高くなります。

また、建物の形状も費用が大きく変わる要因の一つです。

たとえば、屋根が複数ついていたり、凹凸の箇所が多かったりする場合は、塗装する面積が多くなったり複雑な足場を設置する必要があるため、同じ大きさでも単純な造りの建物と比べると費用相場が高くなります。

延べ坪数塗装面積費用相場
10坪40㎡約70万円~80万円
20坪79㎡約80万円~100万円
30坪119㎡約90万円~110万円
40坪158㎡約100万円~120万円
50坪198㎡約105万円~125万円
60坪238㎡約120万円~150万円

延べ床面積(延べ坪数)を確認する方法は、物件購入時の売買契約書で確認できるほか、法務局で登記簿謄本を取り寄せることでも把握することが可能です。

4-2.費用が変わる要因②
外壁の状態

外壁の劣化が進んでいる場合、下地処理や古い塗膜の除去、防水工事などの追加作業が必要になることがあり、その分、費用が高くなる傾向があります。

見積もり費用が高いと感じた場合は、まず自宅の外壁の状態を確認してみましょう。目に見えて劣化が進んでいる場合には、費用が高額になることもあります。

4-3.費用が変わる要因③
使用する塗料

外壁塗装に使用する塗料は機能性や耐用年数など、それぞれ特徴があります。

そのため、塗料によって1㎡あたりの価格が数百円~数千円ほど異なり、総費用にも大きく影響します。

塗料の種類ごとの外壁塗装の費用相場は以下の通りです。

塗料費用相場耐用年数
アクリル塗料1,000~1,500円/㎡5~7年
ウレタン塗料1,700~2,200円/㎡8~10年
シリコン塗料2,300~3,000円/㎡8~15年
ラジカル塗料2,500~3,300円/㎡15~20年
フッ素塗料3,500~5,000円/㎡15~20年
無機塗料4,500~5,500円/㎡20年以上

耐用年数が長いほど㎡あたりの費用は高いことがわかります。

今後何年居住予定かなどを考慮し、ご自身の予算内でできるか相談すると良いでしょう。

4-4.費用が変わる要因④
依頼する施工業者

外壁塗装の費用は、依頼する会社の規模や施工体制によっても大きく変わります。

例えば、大手ハウスメーカーはブランド力や保証の安心感がありますが、その分広告宣伝費や人件費が上乗せされ、費用が高めになる傾向があります。

一方、外壁塗装専門業者や地元密着の工務店は、比較的リーズナブルな価格で依頼できるケースも多いです。

また、自社で職人を抱えているかどうかも費用に直結します。自社施工であれば中間コストがかからず、価格を抑えやすい一方、下請けに外注している場合はマージンが発生し、相場より割高になることがあります。

このように、「どの業者を選ぶか」で費用は数万円から数十万円単位で変動するため、料金だけでなく施工体制や信頼性も確認して選ぶことが大切です。

5.外壁塗装費用を安く抑えるコツ

外装の塗装工事の費用を抑える方法はいくつかありますが、そのなかでもとくに重要な部分をピックアップしました。

5-1.施工時期を梅雨にする

梅雨時期は一年の中でも特に工事費用が安くなる傾向があります。理由は雨が続く時期のため契約数が減少するからです。

また、安いだけでなくその他のメリットもあります!

  • 閑散期なので職人や担当とじっくり時間が取りやすい
  • 予約が取りやすいので希望の日程が通りやすい

ただし、雨などにより作業が中断しやすく、工期が長くなりやすいというデメリットもあります。

工期の延長によって追加費用を請求されることはほぼありませんが、工事期間と塗装費用のそれぞれをどの程度重視したいかも考慮したうえで、塗装時期を決めるとよいでしょう。

5-2.火災保険、助成金・補助金などを活用する

火災保険やお住まいの地域によっては、自治体から助成金補助金が出ることもあります。

しかし、火災保険を使って外壁塗装を行えるのは、火災や自然災害が原因で外壁塗装をすることになった場合です。

逆に外壁の自然劣化によって外壁塗装が必要になったのであれば火災保険は使えません。

また、地震による損害は火災保険の対象外となりますので注意しましょう。

助成金・補助金については、お住まいの市区町村によって条件が大きく異なりますので、各自治体のホームページで詳細を確認するのが確実です。

5-3.地元密着・自社施工などの業者に依頼する

地元密着型の業者や自社施工の業者に依頼すると、大手のリフォーム会社と比べて安くなる可能性があります。

大手の会社は、実績が豊富で保証制度も充実している傾向があり、安心感があります。

しかし、下請け・孫請け業者に作業を委託・発注することもあるため、中間マージンが発生し、割高となってしまう例が多いのです。

一方、地元密着の業者などは自社のスタッフが施工を担当することが多いので、中間マージンが発生せず、割安となる傾向があります。

5-4.複数の塗装業者の見積もり内容を比較する

外壁塗装の費用を抑えるためには、必ず複数の業者に見積もりを依頼することが重要です。
最低でも3社程度に相談・比較することをおすすめします。

1社だけの見積もりでは、その金額が妥当なのか判断できません。
同じ工事内容でも、業者によって数万円から数十万円の差が出ることも珍しくありません。

また、見積もりを比較する際は、金額だけでなく以下のポイントも確認すると安心です。

  • 使用する塗料の種類・耐久年数
  • 下地処理や付帯工事の有無
  • 保証内容やアフターフォローの充実度
  • 自社施工か外注か

これらを総合的にチェックすることで、費用だけでなく施工の質や信頼性も見極めることができます。結果的に、適正価格で満足度の高い外壁塗装を実現できるでしょう。

6.まとめ

外壁塗装は 70万~150万円が相場 で、建物の大きさ・築年数・塗料の種類・依頼する業者によって費用が大きく変動します。
また、屋根塗装を同時に行うか、外壁の劣化状態によっても追加費用が発生する点に注意が必要です。

費用を抑えるためには、

  • 複数業者から見積もりを取り比較する
  • 助成金や補助金の活用を検討する
  • 自社施工や地元密着の業者を選ぶ

といった工夫が効果的です。

外壁塗装は「見た目をきれいにする」だけでなく、住宅の寿命を延ばすための大切なメンテナンスです。
適正価格で信頼できる業者を選び、将来の修繕コストを抑えるためにも、早めに検討してみましょう。