放置すると住宅の耐震性能が落ち、非常に危険なシロアリ被害。
安全性や費用面からみても、発見したら早めに対処することが推奨されます。
本記事はシロアリ駆除の費用相場はいくらか、また、坪数や工法別の費用、失敗しない業者選びのコツを解説します。
1.シロアリ駆除の平均費用(全国相場)
ここでは、シロアリ駆除の平均費用(全国相場)について詳しく解説していきます。
今回、紹介する費用相場とは「1坪あたりの単価(1坪=約3.3㎡)」の平均値を指しています。
主要なシロアリ駆除業者のホームページを調査した結果、
2025年時点における費用相場は、1坪あたり約7,000円 が目安です。
ただし、一般財団法人経済調査会の調査では1坪あたり約10,725円というデータも示されており、業者や工法の違いによって費用は大きく変動する と考えておく必要があります。
一般財団法人経済調査会とは?
一般財団法人経済調査会とは、公正で中立な調査活動と信頼される情報提供、つまりは物価・工事費等の価格調査を主要な業務とする一般財団法人です。
2.坪数別の費用目安
ここからは、独自に調査した費用相場と経済調査会による費用相場を坪数別に比較していきます。
2-1.独自の費用相場の調査
床下の面積 | 費用(税込) |
15坪(49.5㎡) | 約11万円 |
20坪(66.0㎡) | 約14万円 |
25坪(82.5㎡) | 約18万円 |
30坪(99.0㎡) | 約21万円 |
35坪(115.5㎡) | 約25万円 |
40坪(132.0㎡) | 約30万円 |
2-2.「経済調査会」による費用相場の調査
床下の面積 | 費用(税込) |
15坪(49.5㎡) | 約16万円 |
20坪(66.0㎡) | 約21万円 |
25坪(82.5㎡) | 約27万円 |
30坪(99.0㎡) | 約32万円 |
35坪(115.5㎡) | 約37万円 |
40坪(132.0㎡) | 約43万円 |
2-3.調査結果に差が出る理由
経済調査会の調査結果と比較すると大きな差が見られます。
その主な理由は、経済調査会のデータが実際に成立した取引金額を基に算出されているのに対し、ホームページ上に掲載されている料金は希望価格や公表価格であり、実際の取引条件(工法など)を必ずしも反映していないためです。
そのため、経済調査会のデータと比べて実勢価格が低く算出される傾向があります。
3.工法別の費用(バリア工法・ベイト工法)
シロアリの駆除方法は「バリア工法」と「ベイト工法」の2つに大別されます。
どちらの工法を選ぶかによって、費用も異なります。ここでは、工法別・坪数別の目安費用をまとめました。
坪数 | バリア工法 | ベイト工法 |
---|---|---|
20坪(66.0㎡) | 約14〜24万円 | 約20〜30万円 |
30坪(99.0㎡) | 約21〜36万円 | 約30〜45万円 |
40坪(132.0㎡) | 約28〜48万円 | 約40〜60万円 |
※上記は目安価格です。実際の金額は、被害状況や施工環境、地域差などにより変動します
表からも分かる通り、ベイト工法はバリア工法に比べて費用が高めです。
その理由は、ベイト工法では専用の餌(ベイト)を設置してシロアリを駆除するため、施工に手間や時間がかかることが多いためです。
一方、バリア工法は建物周囲や床下に薬剤を散布する方法で、施工が比較的簡単な分、費用が抑えられます。
3-1.バリア工法のメリット・デメリット
バリア工法は、シロアリ防除工事で現在最も一般的な施工方法となっており、住宅の床下に薬剤を塗布・散布してシロアリを駆除するのと同時に、侵入できないように防護壁(バリア)を作る方法です。
安価で、即効性があり、駆除効果がすぐに現れやすいのが特徴です。使用する薬剤によって異なりますが、5年程度の持続効果があります。
デメリットは薬剤を使用することで、臭いが気になることがあります。臭いや人体への影響は個人差がありますので依頼する際は担当者に相談してみると良いでしょう。
3-2.ベイト工法のメリット・デメリット
ベイト工法は、住宅周辺の土中にベイト剤(毒エサ)を設置して、シロアリがそれを巣に持ち帰ることで、巣ごと駆除する方法です。
シロアリの巣全体を根絶することを目的とする方に向いています。バリア工法と比較して、1坪あたりの費用が高くなる傾向があります。
バリア工法と異なり、効果が出るまでには少し時間がかかるものの、巣全体を効率的に駆除できる・人体への影響が少ないなどメリットもあります。
どちらの工法を選ぶべきかは、住宅の構造・被害状況・予算などによって異なります。
早めに専門業者に調査を依頼し、状況に応じた提案を受けることが重要です。
4.費用を抑えて失敗しない業者選びのコツ
費用を抑えつつ、安心して業者を選べるよう以下にポイントをまとめました。
- ①相見積もりをとる
- ②施工内容を確認する
- ③保証制度の有無
- ④評判や実績
4-1.①相見積もりをとる
複数の業者に見積もりを依頼することで、料金相場やサービス内容を比較できます。
最低でも3社の見積りはとるようにしましょう。
4-2.②施工内容を確認する
「バリア工法」「ベイト工法」など施工内容の違いによっても費用は変わります。
また、不要な追加工事が含まれていないかチェックしましょう。疑問点があれば遠慮なく質問することで、後々のトラブルに繋がることを防ぐことができます。
4-3.③保証制度の有無
シロアリ駆除の場合、「施工保証」と「建物の修復補償」の2種類があります。
- 施工保証:再発した場合の施工保証です。「無料で再施工」など業者によって内容はさまざまです。
- 建物の修復補償:再発した場合、建物の修復が必要になった場合に、その費用を補償してくれるものです。例として、シロアリが原因で建物に損害を与えた場合300万円を限度に補償など
このように業者によっては、施工保証や修復補償をつけているところもあります。業者を選ぶ際は、修復補償の金額も含めて確認しておくことをおすすめします。
4-4.④評判や実績
施工実績や口コミを確認することも大切です。
施工実績は業者ホームページに掲載されていることが多く、作業内容や流れが写真付きで紹介されている場合もあります。どのように現場に対応しているかを把握する参考になります。
また、口コミは必ずチェックしましょう。特にGoogleマップの口コミは実際に依頼した利用者の声が反映されやすく、リアルな評価を確認できます。
5.まとめ
シロアリ駆除の費用相場は、1坪あたりおよそ7,000円〜1万円台が目安となります。
ただし、工法や被害状況によって大きく変動し、バリア工法は比較的安価で即効性がある一方、ベイト工法は費用が高めですが巣ごと根絶できるメリットがあります。
費用を抑えるためには、複数社から相見積もりをとり、施工内容や保証制度を比較することが大切です。また、口コミや施工実績を確認して信頼できる業者を選ぶことで、後々のトラブルを防ぐことにもつながります。
シロアリ被害は放置すると費用が膨らむ恐れがあるため、早めの調査と適切な対応を心がけましょう。